CoderDojoを通じて繋がれなかったエンジニアと繋がれたお話しとこれから(Advent Calendar)

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こんにちは。この記事はCoderDojo Advent Calendar 2018 6日目の投稿です。

5日目は覆面くんさんのCoderDojo紫雲の臨海合宿2018の記事でした。
合宿っていうだけでもワクワク感が止まらないですよね。
CoderDojoとは別に私自身も子ども会ジュニアリーダーの指導者をしていることもあり宿泊を伴う活動は多く取り組んでいるので、楽しさと運営ならではの大変さとの両方を知る身としても、大変さを差し引いても楽しいんですよね!合宿いいな~♪

 

改めまして、CoderDojo光 チャンピオンの石川です。

6日目の本エントリーでは、今年8月に東京で開催されたCoderDojo関係者が集まるDojoCon Japan 2018のワークショップのコマをお借りしてお話しした、「自分にできる貢献のしかたを見つけよう by CoderDojo光」の裏話というか、紹介出し切れなかったことを書き連ねてみたいと思います。
(※4800文字超の長文なのでご注意くださいませ)

 

事のはじまりは場を作りたい思いとエンジニアと繋がれない問題の狭間から

記憶を辿るとCoderDojoのことは2013年くらいには知っていて、是非やってみたいと即感じたものの、折角やるので安定的に毎月の定例開催をしてみたかったり、運営でおそらく悩むであろう技術的な悩みを聞いてもらえる相談相手としてのエンジニア仲間を募りたいというところからでした。
それと同時に、私自身がネットサービスから会社を立ち上げていて都市部の勉強会に出没していたり、10年くらい前に「山口県Web勉強会」をはじめとした技術系勉強会の立ち上げに関係したこともあり、もっと地元山口県内の(ソフトウェア系)エンジニアと繋がってみたいと感じていた時期でもありました。

今にして思えば、ここで定義する「エンジニア」とは仕事的な意味での繋がりとしてのフリーランス的な立場の人だけでなく、社外に飛び出して活動するサラリーマンエンジニアの人も含めて、広くソフトウェア系の技術で活躍されている方と繋がってエンジニアトークしたい!的な。

また、コスプレの本職以外に、子ども会ジュニアリーダーの指導者も続けていたり、コンテストで日本一にも輝いたことがある地元光市の成人式の企画運営委員会委員長を務めさせて頂いたりと、まちで20歳以下の人と関わる機会が多かったこともあって、「プログラミング」という技術で貢献できる場や、オープンソース的な感じで関わりが持てる若者のためのサロンがあったらいいと思っていたところでもあったので、ちょうどマッチしていたことも直感的にやってみたい衝動に駆られたところでもあったのかなと。(同時に、コワーキングスペースの運営についても会社としては模索していたのでした…今も場としての重要性から諦めてはいないけど結局できていないんですけどね…こっちはこっちで応援していただける方を募集していますw)

この考えが早すぎたのか遅すぎたのかちょうどよかったのかは分からないけど、ずっと頭の片隅にある中で、気になって仕方が無いもやもや状態の中から、開設に向けた準備をひっそりと始めていくのでした。

※参考に、光市成人のつどいのことについて2年前に書いた「やまぐちの魅力 Advent Calendar 2016」の記事をご覧ください。 → http://y3sei.jp/2016/12/20161215-3238.html

 

運営する仲間づくりへ

毎月継続的に開催するということ自体は一人でもできるのですが、会社としては自宅作業がほとんどで一般的に言うところの“ちゃんとした”事務所を構えているわけではない中で場所の手配は必要だし、ジュニアリーダーのことや成人式のことなども含めた日常的にある活動も含め私自身もやりたいことがあるし、徐々に仕事も増えてリソースのバランスを整えながらとなると、決まった時期にもできないしと、悩むことばかり。
不定期開催でももちろんできるし、数ヶ月に一度みたいな間隔でもできるとは思ったのですが、毎月定期開催されている技術系コミュニティが山口県内に皆無といえる状況の中への私自身の新しいチャレンジ目標として、「毎月定期開催」を掲げて取り組みたいと考えていたことが大きいのかなと。
そうすると、途中で続かなくなるのも辛いものもがあるので、できないなら肩の荷を少し下ろして、できるようになるまで体制を組んでみようというチャレンジ目標を据えて可能性を模索してみたと。

時を同じくして、会社としてやりたいと思っていたドロップインを歓迎するスタイルのコワーキングスペース「カラム」がお隣山口県周南市に立ち上がり、繋がりを持ったことが状況打開のひとつのキッカケになりました。(堀江さんありがとう!)

毎月定例開催の勉強会「Web × プログラミング」を主催したり、WordPressの山口県内のコミュニティのモデレーターとしてお手伝いしたり、そこから後に「クリエイティブハント」というイベントの運営側として活動したりと、エンジニアとしてできることでの場作りには継続して取り組んでいます。
このカラムで出会ったえっちゃん(金江さん)もCoderDojoを立ち上げたいと考えていて方向性が一致していたことが転換点となり、主催勉強会の参加者の中からメンターとして協力していただける方が出てきたりと、繋がりの芽が一気に開花していきます。

結果としてジュニアリーダーや成人式などの既存の活動で繋がった人もメンターとして協力していただけるようになって、今では私を含めメンター10名超というボリュームの運営チームができあがったという次第です。

もちろん、全員がエンジニアではなく、非エンジニアが半数以上を占めることにも注目です。
「どうやったらこのコミュニティに貢献できる(役に立てる)か」という点を具体的に一人ひとりに説明していって、小さな貢献を積み重ねていただくというスタイルで仲間を増やした結果かなと思います。たとえば、写真撮影が得意な方がいれば、記録写真の役割だけでも貢献してもらえることが分かれば参加しやすいですし、話をするのが得意ならNinjaが取り組んでいることを聞いてあげる聞き手としての貢献ができる、といった具合です。もちろんプログラムのことは尋ねられることが平易に予想できるのですが、プログラムが不得手なら得手なメンターを繋げばいいだけだと理解してもらえたことが仲間づくりに繋がったのかなと。
まさに小さい積み重ねによる適材適所なのかなと思います。

 

成果発表をDojoCon Japan 2018でさせてもらった

こういった経緯の中で、メンターがとても多いDojoと言われるようになった光の取り組みは、コミュニティづくりの例となれるのではないか。
この思いで、今年8月に開催されたDojoCon Japan 2018のワークショップ企画として応募させていただきました。
大人のためのコミュニティづくりの例というのはあまりない発表事例だったかもしれませんが、参考にしていただけたらと思っています。

 

そのときの私のレポートはこちら。
http://coderdojo-hikari.com/archives/20181001_dojocon-japan-2018-report-ishikawa.html

 

スライドはこちらです。

CoderDojo光をはじめて実ったエンジニアコミュニティの芽

CoderDojo光の活動を始めて、なかなか繋がることができなかったエンジニアとの新たな繋がりもでき、学生の参加や協力が得られてきていたり、見学やメンターとして参加していただいている方の中にはプログラミング教育が本格実施される直前となり地元でも取り組んでみたいと考えているUターンのエンジニアの方との繋がりもあり、「場」があったことで始めて知り合うことができた人との繋がりのきっかけにもなってきていて、子どもたちのコミュニティであると同時に、私自身の描いていた大人のコミュニティとしての側面もしっかりと形になってきました。

「場がある」だけでなく「ある程度の頻度で継続的に開催されている」ことというありふれたことではあるのですが、定期開催であることで、1回1回の開催にあわせて無理矢理スケジュールを合わせるという苦労をしてまで参加しなくても、難しければまた次回!という気持ちになれるのは大きいのかもしれません。
逆に、興味を持ったとしても見学にいくことすら叶わないことがわかると悲しいですし、開催されているかどうかがわからないと問い合わせをしてみる気持ちも削いでしまうかも知れない(私はどちらかというとそういうところがあるので)。続けることは苦しいところもありますし、全ての場が定期的に継続されていないければならないということはないのですが、継続していることで見えてくる世界もあるのだなと改めて感じたこの1年の出来事でした。

 

コミュニティ、場づくりと、その次の一歩へ向けて

コミュニティづくりとしては、ひとつの例になれるくらいのことはできたのかなと思っていますが、参画していただいているメンターに対してのより一層のプラスになる取り組みができたらと思っています。
具体的には、地域の子ども達にさまざまなものづくりの体験をしてもらう「クリエイティブキッズキャンプ」や「クリエイティブキッズパーク」といったイベントへのプログラミング体験ワークショップの出展者として声をかけてもらったり、私も実行委員を務める今年の「クリエイティブハント」では初めてのコラボによりクリエイター向けのイベントにメンターが参加してセッションに参加したりDojoのメンターとして動いたりと、楽しんで頂けたようでした。
これまでにも他のイベントにいくときに「CoderDojo光」という名を使ってもらうことで入りやすい、きっかけにしやすいのであれば遠慮無く使ってもらえるようにしています。このブログもその一環です。おそらく今回のAdvent Calendarの他の日程に光のメンターがいるのを見かけたので、またそのとき使われるかも知れませんが、自分のブログを使ってもいいし、Dojoのことならこのブログを使ってもいいというルールにしています。同様に、活動する際に名刺が必要なメンターには共通のデザインで発行しています。

 

また、光には1回目の開催から、実力のあるNinjaの参加があり、メンターがビックリするという出来事から嬉しい悲鳴状態です。
大人の集まる場としての役割はありつつも、やはり本来の目的でもある子ども達のコミュニティ・場の中での成果を出していきたい。
そして、参加してくれるNinjaが次のステップに向けてそっと背中を押す支援の手として、また新しい可能性にチャレンジしてほしくていろいろなコンテストやイベントなどを紹介しているのですが、「コンテストに出したいけど決勝まで残ったら遠方だから参加が難しいので応募できない」という声もあり、自分自身も同じ道を辿った道でもあるのですが、地方ならではの苦しさがここにはありました。こういうので成長の芽が摘まれないようにしていきたいなと。
次なるステップに向けて、こういった子ども達への支援の手が、直接的でも間接的でも何らかの形でできたらとは感じてきています。できたらできたなりの悩みって出てきますよね。ここができたらいいなとね。

とはいえ、やはり、まずは運営する側のメンターの大人たちが楽しくワイワイやっていて、楽しい場だよということを知ってもらうことが最初の一歩なのだとは思いますけどね。

 

明日は、山口県のお隣、広島県のCoderDojo海田のチャンピオンで、CoderDojo紙屋町のメンターとしても大活躍のナカオクさんです。