2020年5~6月の開催レポートと、オンライン開催や会場との併催のまとめ(第40~45回 開催レポート)

CoderDojo 光 チャンピオンの石川です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う全国一斉の休校要請が行われた3月以降、CoderDojo 光 でも会場開催の見送りやオンラインへの転換などの判断や措置をとってきました。
3月のレポートは公開していますが、その後4~6月にかけて開催してきた概要と、オンラインの取り組みをレポートとして纏めたいと思います。

4月は CoderDojo 光 としては初めての未開催月に

3月20日に開催後、CoderDojo 光 の4月中の開催タイミングを検討していました。
休校要請の解除や、新型コロナウイルス感染症の近隣や県内での拡大状況を考慮した上での対応との関係で、会場開催が可能なのか、それともオンラインだけに絞って取り組むべきなのか、判断がとても割れるタイミングでもありました。
山口県内では、基本的に感染ルートが特定できる状況下が継続しており、コントロール下にある中でどこまで判断し行動するか、それらの状況を考慮した上での小中高校の休校状況に沿った対応が必要という活動の性格との関係性から、4月1週目の新たな感染者の発生からはじまる一連の対応が落ち着く4月下旬以降の開催を想定してメンター一同準備を進めることとしていました。

これと同時に、新たな発生がない状況が2週間以上というひとつの基準を念頭に、インターネット環境が十分ではないもの、パソコンやタブレットなどの使用できる環境がないもの、環境はあるが接続などのサポートが必要なものなど、環境整備の面で厳しい Ninja がいる可能性と、CoderDojo 光 に参加する子ども達や保護者の方の状況から、参加している地域が広い CoderDojo 光 ならではの地域差の状況の違いの把握を考慮し、対応方針を決めるためのアンケートを取らせて頂きました。

やはり各市町での対応方針や対応状況の違い、保護者のサポートが必要な場合の最低限の技術的なサポートの難しさなど、個々の課題が見える結果となりました。
ツールは使っているがどうしたらいいかわからないという課題も見え隠れする状況から、オンライン開催にあたっては、「ツールに慣れる」という部分を念頭に入れた上で、失敗しても再チャレンジがしやすくなるよう多数の回数を開催することと、保護者向けのサポートプログラムを設定することとしました。
もっとも、蓋を開けてみるとサポートプログラムを利用される方がございませんでしたので、やってみたいという気持ちはあっても状況が許さなかった面はあるのではと思うところです。

5月は全5回開催

4月の状況や、県立学校の休校解除・学校再開の時期が5月25日以降になったことで、5月中の会場開催は難しいと判断し、アンケートの結果も踏まえ、オンラインのみの開催で、かつ回数を多数開催する方針で活動再開としました。

5月は6日(祝)と、毎週土曜の合計5回の開催を行いました。
開催日と Ninja の参加状況は以下の通りです。

  • 5月6日(祝、40回目) 4名
  • 5月9日(土、41回目) 3名
  • 5月16日(土、42回目) 3名
  • 5月23日(土、43回目) 3名
  • 5月30日(土、44回目) 1名

このほかに、メンターも全員がオンラインで参加していますので、実際には最大で10名程度の参加となっていました。

また、5月23日(土)と30日(土)は、6月以降の会場再開と、感染拡大によって特定地域のみで休校等の措置が採られた場合に備えた「オンライン併催」に向けた試験運用を行い、機材チェックを兼ねて設営と運営を実施しました。

オンラインで開催してみて感じることとして、事前アンケートも含め想定していたよりも圧倒的に参加人数が少なかったことです。
CoderDojo 光 では参加する Ninja のスキルの差やバラツキも大きく、それこそが楽しさのひとつでもあるといえますが、そのことが逆作用のように働き、また connpass での募集を行っていたことで、誰がそのオンライン開催に参加するのかを見た上で、難しい内容に寄った制作を行う Ninja が多い時には避けたいという心理的な影響や、相談したいことをまとめたり相談できたりするところまで整理が追いついていないような状態で相談することが難しいと感じる気恥ずかしさなどからくる抵抗感、オンラインツールへの恐怖心なども加わり、ほぼ固定の参加者しかいない状況になってしまいました。
プログラミングクラブらしく、失敗してもチャレンジできる環境を作りたいと、回数を重ねて実施したものの、効果は期待したほど得られなかった結果となりました。

現実に起こった状況も検証し、休校解除後の会場開催再開後も、オンラインは併催するとともに、まずは開催し参加できることの楽しさを思い出せる会場開催と、その先に再び状況が悪化した場合に備えたオンラインツールへの適用や対応への準備を進めていくこととしました。

6月の開催からは会場開催を再開&オンラインを併催へ

山口県内では5月5日以来新規罹患者が発生していない状況や、休校措置が解除されたことを受け、オンラインを併催する形での会場開催を再開することとしました。
運営上の負担だけであれば、会場開催のみが良いのですが、まだ人が集まることへの怖さを感じる Ninja や保護者への配慮、今後再び休校等により会場開催ができなくなったり特定地域のみで拡大し会場周辺では参加ができても遠方からの参加が叶わなくなった場合に備えることなどを考え、ツールを体験してもらうことも含め、オンラインを併催し、遠方の相手と交流できる場づくりやツールの体験の機会を作り出そうと考えています。

山口県内の状況も、県外からの持ち込みがなければ新規罹患者が発生しないという状況であることもあり、参加の際には県外の方と直近2週間以内にあった方に遠慮いただくなどの対応を各自協力として得られれば比較的安全であることもポイントとして掲げられます。
この部分は地域の実情に合わせた部分でもあると思いますので、よく分析した上での判断となっています。

実際に再開してみると、5月中にオンラインで参加した Ninja はもちろんのこと、しばらくご無沙汰になっていた Ninja たちも再び参加してもらうことができました。
話を聞いてみると、休校による自宅学習が続く中で、CoderDojo 光 の活動に参加が難しかったことでプログラミングから離れていたという声も聞かれ、それぞれの学びのステージはあるとは思いますが、継続的な支援の重要さを再認識することとなりました。

残念ながら6月13日(土)開催の45回目ではオンラインからの参加はありませんでしたので、オンライン併催における課題はまた7月以降のレポートを待つことになりますが、新しいあり方のひとつとして、会場開催だけに拘らず、どのような状態であってもやりたいプログラミングをサポートするという姿勢を示す意味でも、「オンライン開催を併催」「オンライン参加をサポート」という点を訴えかけ続けることは重要であると感じました。

まとめ

6月の段階ではようやく会場開催にこぎつけ、再開できたばかりの状況ですが、今後オンラインからでも参加していこうというマインドを養成していくことに繋げて、いつまた第2波、第3波へと繋がったとしても即時オンラインに切り替え、5月に開催した以上にオンラインでも集まる事ができる環境作りを推進していく必要があると感じています。
しばらく活動に参加せずプログラミングからも離れていた子ども達の存在のことも踏まえ、まずはプログラミングの楽しさを思い起こしてもらうところからの部分もあるとは思いますが、その先に、今後の開催の中ではどのような環境でもプログラミングを楽しむことができサポートを受けることができる環境作りもしっかり実施していきたいと強く思いました。

今後の CoderDojo 光 の活動と、メンタリングや技術的なもの、資金面や体制等を含むさまざまな活動へのサポートを、是非よろしくお願いいたします。